日本ファシリティ・ソリューションさま
日本ファシリティ・ソリューションさま
日本ファシリティ・ソリューションさま(以下、JFS)は、東京電力エナジーパートナー100%出資の企業として、効果保証付きの省エネルギーサービス「ESCOサービス」をはじめとする多彩なエネルギーサービスを法人組織に向けて提供している会社です。病院、大学、事務所ビル、工場などの広範な顧客に向けて、それぞれのニーズに応えるオーダーメイドのソリューションを展開し、関東圏を中心に400社以上からの受注実績を有しています。そうした同社では、東北地域の工場における受変電設備の更新プロジェクトをきっかけに東北日立と協業。これを足がかかりにソリューションの展開地域を東北全域に押し広げようとしています。
過去に取引実績のない東北地域工場の受変電設備の更新を確実に行う必要があった
設備の最適化に向けて設備設計を入念に行う必要があった
設備の新旧切り替え時には工場を停止させる必要があり遅延は許されなかった
設備の更新工事の安全性を現地確認によって確保する必要があった
東北日立との協業により日立の装置を使った新たな受変電設備の施工を確実に実施
更新工事の始動にあたり、受変電設備の設計を東北日立と入念に実施
計画どおりの2024年5月の連休中に設備の新旧切り替えを完遂
東北日立の現地確認により無事故・無災害での設備更新を実行
電気設備に関する技術力と現地での施工の推進力が採用の決め手に
JFSは、東京電力、三菱商事、関電工、山武による共同出資のもと、省エネルギーサービスである「ESCOサービス」の事業を主に手掛ける企業として2000年に設立されました。2015年には東京電力エナジーパートナー100%出資の企業となり、ESCOサービスのほか、エネルギーデータ(使用量やCO2排出量など)の見える化を含めたマネジメント、省エネコンサルティングや受変電設備を含むエネルギー設備の設計・設置・導入・保守・点検などのサービスを幅広く手掛けています。
同社では「ベンダー中立」の方針をとっており、ソリューションを展開する地域にも制約はありません。ただしこれまでは、東京電力管内(=関東圏)の案件を中心に手掛けており、それ以外の地域での実績はそれほど多くありませんでした。
その中で受注した案件が、半導体部品メーカーであるお客さま工場の受変電設備を更新するプロジェクトです。同工場は東北地域にあり、受変電設備には日立の装置(ガス絶編開閉装置や変圧器、コンデンサなど)が使われています。このプロジェクトについて、JFS 産業事業本部 産業プロジェクトマネジメント部 部長代理の山本 啓治氏は次のように振り返ります。
「日立の受変電装置を扱った経験はあるものの、東北地域にある工場にソリューションを提供するのも初めてでした。その中で、工場の稼働を支える受変電設備の更新をいかに確実かつ安全に行うかが課題でした。特にお客さまの工場では大本の電力回線が1本しか引かれておらず、受変電設備の新旧切り替え時には工場の稼働を長時間停止させざるをえませんでした。そのため、停止時間を可能な限り短くしながら、決められた日数内で作業を完了させる必要がありました」
本プロジェクトを推進するにあたり、JFSが東北日立をパートナーとして選んだ理由は、いくつかあります。1つは、新しい受変電設備に使われる装置類が日立製であり、東北日立がその中身について精通していることです。また、東北日立がお客さまと以前から取引があり、現地の状況を把握していたこと、さらには受変電設備の施工に関して高い技術力と豊富なノウハウを有していることも、採用の理由となりました。
これらの点について、JFS 電気設備サービス室リーダーの黒田祐介氏は次のように説明を加えます。
「お客さまの工場は、JFSの東京本社から遠く、現地で施工管理するのは週1回が限度でした。そのため、現地の事情と受変電装置に精通し、かつ施工の遂行・管理に長じていることが求められます。東北日立はそれらの要件をすべて満たしていました」
2021年から東北日立と協業開始し、2024年のゴールデンウィークに切り替えを完了
今回の設備更新のプロジェクトは2021年にスタートを切りました。以降、JFSでは東北日立によるバックアップのもと、新設備の仕様や施工の計画づくりを進め、2023年11月に新設備の全容を確定させました。この間、JFSと東北日立との間では、何度も会議を実施し、新設備の仕様を詰めていきました。
また、仕様が承認・確定した装置から順次、制作と現地への設置、運転試験を実施していきました。最終的には2024年5月のゴールデンウィーク(4日間)で新旧設備の切り替えを行い、保守・運用へと至っています。
卓越した技術力と現場力で設計・施工を強力にバックアップ
JFSの山本氏は、上述した一連のプロセスを進めるうえでの東北日立の支援・サポートを次のように振り返り、高く評価します。
「お客さまの工場と当社との距離が離れていて、かつ、当時は新型コロナウイルス感染症の流行もあり、当社からお客さまのもとに頻繁に出向いて、新設備の仕様を詰めていくのが難しい状況でした。そんな中で、東北日立はお客さまと当社との橋渡し役として、お客さまのニーズを直接ヒアリングし、仕様を調整してくれました。また、施工に関しても東北日立にしっかりと遂行・管理いただき、工事の安全性も確保していただけました。結果として、設備更新のプロジェクト全体が滞りなく進み、大変感謝しています」
経験にもとづく東北日立の創意工夫によりプロジェクトにおける難所も乗り越える
先の山本氏の言葉にもあるとおり、お客さまの工場では大本の電力回線が1回線だけであり、受変電設備の新旧切り替え時には工場の電気を落とすこと、つまりは工場の稼働を停止させる必要がありました。切り替え作業は工場が運休日内に完了させることが必須で、その日は2024年5月のゴールデンウィーク(4日間)に設定されました。
「この4日間で切り替え作業を確実に終えることが、プロジェクトにおける最大の難所でした」と黒田氏は指摘し、こう続けます。
「東京電力管内の工場の場合、大抵は回線が2本あり、うち1本を古い設備に受電させ、もう1本を新しい設備に受電させることで、新旧設備の切り替え時の停電時間を短くできます。今回の工場では、その方式が使えず非常に困ったのですが、東北日立が創意工夫を凝らして新設備における受電の工事をスピーディにこなしてくれたおかげで、4日間という短い期間内で切り替えを済ますことができました。東北日立の支援、サポートがなければこの難所は乗り越えられなかったかもしれません」
この言葉を受け、山本氏は最後に東北日立に対する評価をこう総括します。
「今回のプロジェクト全体を通じて感じたのは、東北日立の技術力・現場力の高さとともに、同社と地域の法人顧客との結びつきの強さ、そして、同社に対する顧客からの信頼の厚さです。それが結果としてプロジェクトのスムーズな進行と計画どおり完遂につながったと言えるでしょう」
日本ファシリティ・ソリューション株式会社
産業事業本部 産業プロジェクトマネジメント部 部長代理
山本 啓治氏
日本ファシリティ・ソリューション株式会社
電気設備サービス室リーダー
黒田 祐介氏
JFSでは今後も関東圏以外の法人組織に向けたソリューション提供に力を入れていく計画です。その取り組みの推進力として、山本氏は、東北日立との協業に大きな期待を寄せています。
「東北日立は、東北全域に多くの支所を擁し、地域の法人組織に対してきわめて高い品質のプロダクトと施工のソリューションを提供できる力を有しています。今回の案件を機にこれからもお付き合いいただき、東北地域でのエネルギー関連のプロジェクトをともに推進させていただきたいと願っています」
「今回の案件では大変お世話になりました。同工場における大型の受変電設備の更新を滞りなく、計画どおりに完遂できたのは、東北日立による素晴らしい支援とサポートがあったからです。東北地域のプロジェクトでまたご一緒させていただくことを心より願っています」
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